大深度ニューマチックケーソン工法

「無人化システム」と「ヘリウム混合ガス呼吸システム」の一体化により、 大深度開発事業を確実にサポートし、水面下70m(理論作業気圧0.7MPa)までの地下構造物の構築を可能にする工法が「大深度ニューマチックケーソン工法」です。
無人化システムであっても、機械の点検・修理、あるいは掘削完了後の機械解体など特殊な場合には、作業員が高気圧環境内に入る必要があります。 そのため、従来は作業気圧0.4MPaを超える工事は高気圧障害発生の面から施工困難と考えられてきました。
そこで、「無人化システム」と「ヘリウム混合ガス呼吸システム」を組み合わせることで最大作業気圧0.7MPaまで可能な「大深度ニューマチックケーソン工法」を開発し、 大深度での安全・確実な施工を可能としました。

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ヘリウム混合ガス呼吸システム

窒素や酸素の密度が濃い高気圧空気を呼吸することは、高気圧障害発生の要因となります。そこで大深度空間での作業を可能にするため、深海潜 水で実用化されている高気圧障害防止技術を応用した、「ヘリウム混合ガス呼吸システム」を開発しました。このシステムは呼吸ガスとして窒素量を高気圧空 気より少なくし、酸素量を調整してヘリウムを添加した、ヘリウム・窒素・酸素の3種混合ガスを用います。さらにこのシステムでは減圧時に酸素呼吸を併用 し、体内に溶け込んだ窒素の体外排出を促進させて、減圧症の発症を防止します。

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